奥久慈茶
鮮やかな新緑に豊かな香りが映える
奥久慈茶の歴史は古く、大永年間に左貫地内にあった西福寺の僧が、宇治から持ち帰った茶実を撒いたことから始まり、実に約500年もの歴史があります。その後石附平治らの手によって近隣に広く栽培されるようになり、古くは保内茶(ほないちゃ)と呼ばれていました。
茶畑の広がるこの地域には、八溝山地の砂岩と山岳気候が相まって、豊かで良質な茶畑が広がっています。大子町は「北限の茶所」と呼ばれ、昼夜の寒暖差が大きく、清涼でやわらかな朝霧に包まれることによって新芽がじっくりと育ち、肉厚で地味の強い茶葉になっていきます。品質本位で一番茶しか採取されないため、大量生産することが出来ず、高級品として扱われています。そうしてつくられた奥久慈茶は水色が濃く、茶葉の持ちのよさにも定評があります。
各種品評会を始め、茶共進会等において幾度となく輝かしい成績を収めている奥久慈茶。伝承者の少ない伝統的な製茶法『手揉み茶』の技も受け継がれ、全国手もみ茶品評会「農林水産大臣賞・一席一等」の名誉も受賞し『日本一の味と技』と賞賛されています。